![]() 本年度で20回目を迎えた「リモデルスタイル作品コンテスト」。 |
![]() 審査風景 |
審査を通じて、今井先生が驚かれていたのが、住み手の要求水準の高さです。「以前、衣食住の“住”は衣食ほど丁寧には考えられていなかったのですが、今はご自分の生活スタイルを表現する空間としてきちんと住みこなしていらっしゃいますね。こうした動きは今後ますます強まっていきますから、お店側もプランニングやセンスに加え、お客様の望むイメージを的確に引き出す能力が求められていくのではないでしょうか」
住まいの基本仕様の急速な進化も、審査を経て実感された点のひとつとか。「天然素材を用いたり、バリアフリーを取り入れるといったアプローチは、今や当たり前のものになってきています。住まいの品質基準が相当レベルアップしており、ただそのような素材や仕様を取り入れるだけでは、いいリモデルとは呼びづらくなっているんですね」
では、どういうアプローチであれば、お客様に高い満足感をもたらせられるのか。今井先生は“住み手本位のリモデルの実践”に尽きるとおっしゃいます。「お客様の家の広さ、家族構成、予算など、リモデルには1つとして同じ条件はありません。そんな個別環境の中、住み手本位の立場に立ち、問題を解決していく姿勢が何より大切です。リモデルは作り手側の“作品”などではなく、住み手のものなのですから」
また今後、作り手、住まい手双方に意識していただきたい点として、今井先生は「地方性」と「環境配慮」を挙げられました。
「土間を生かしたリモデル、和室の続き間を残すリモデル。日本はその土地土地ならではの気候風土や生活風習があるわけで、そうした永年の知恵としてご自宅のプランに反映させていただきたいのです。
あと、エコロジーの視点として、既存スペースや機器を生かす発想をもっと持っていきませんか。今まで暮らしていた空間全てがダメなわけではありません、愛着のある家具や機器だってあるはず。リモデルにメリハリをつけて、生かせるものは生かす発想やアプローチがあっていいと思うんです」
作り手も住み手も、生活を豊かにする行為として幸福なリモデルを実践いただき、住みやすく心地よい空間を次年度のコンテストで見せていただけることを心待ちにしております。